環境非政府組織(NGO)グリーンピースは22日、石炭火力発電所が中国北方地区の水不足をさらに深刻化させているとの指摘するリポートを発表した。
リポートによると、中国の石炭火力発電所の45%が「地表水が過度に利用されている地区」(過度取水地区)にあり、年間34億立方メートルの水を消費している。中国の石炭発電所全体の水消費量は74億立方メートルのため、過度取水地区の発電所が半分近くを使っていることになる。
中国は2013年末現在、過度取水地区でさらに計237ギガワット(GW)の石炭火力発電所の建設を計画しており、完成後、水の使用量が18億立方メートル増加する見通し。
世界でも、計画中を含め石炭火力発電所のうち4分の1が、過剰取水地区に建てられている。
リポートによると、中国では石炭産業の発展により、もともと水資源が不足している地域で、状況がさらに深刻化している。
黄河中流域の支流「窟野河」流域では、石炭産業の水消費量は2020年には1億9806立方メートルと予測され、同年に同流域で可能な水供給量の1億8845万立方メートルを上回ることになる。
窟野河流域では、地下水の過剰取水、河川流量の不足、河川の断流など、水環境が著しく悪化している。
(参考)https://www.greenpeace.org.cn/coal-power-plant-built-in-the-excessive-water-area/