問題ワクチン事件、当局が管理不行き届き認める

 山東省済南市の元薬剤師の女(47)が、適切に保管されていないワクチンを安値で買い取り、全国に販売していた事件で、国家食品薬品監督管理局、国家衛生計画生育委員会、公安部が24日、記者会見し、同局幹部が「大量のワクチンが違法の販売ルートに入りながら、適時に発見できなかった」と語り、当局の管理不行き届きを認めた。英BBC放送中国語版が伝えた。

 中国では、適切でないワクチンが大量に流通していたことで、市民の間では食品と医薬品の安全性に対する不安が高まっている。政府が事件の隠蔽(いんぺい)を図ったとの指摘も多い。

 会見によると、同局は、違法にワクチンを販売していた製薬会社29社を摘発。ネットで販売していた41人、直接販売していた46人を摘発した。また、問題のワクチンを購入した疑いの医療機関などは16カ所に上り、当局が調査を進めている。

 ドイツの国際公共放送ドイチェ・ベレ(DW)によると、元薬剤師は娘と共謀し、2011年以来、不適切な保管状態のワクチンを販売し、取引額は5億7000万元(約99億円)に上った。

 李克強首相も22日、問題のあるワクチンの流通と使用状況について調査するよう調査を命じた。李首相は「今回の事件は、監督面に多くの漏れがあることを示した」と話している。

 世界保健機関(WHO)は適切に保管されていないワクチンは効果は低いが、危険性は低いとの見方を示した。

(参考)http://www.bbc.com/zhongwen/simp/china/2016/03/160324_vaccines_press_conference

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