新華社によると、国家環境保護部はこのほど、中国各都市の大気の質が改善し、北京・天津・河北(京津冀)、長江デルタ、珠江デルタで環境基準の達成日数が前年比で増加したと発表した。同部は、うち京津冀地区では、環境基準の達成日数が前年比9.6%増えたとしているが、市民からは疑問の声が挙がっている。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。
同部の発表によると、京津冀地区の13都市では、大気質が環境基準を達成した日が年間日数に占める割合は52.4%に上った。PM2.5(微小粒子状物質)、PM10、二酸化硫黄、二酸化窒素の濃度が目立って低下した。
この割合は、長江デルタの上海市など25都市では72.1%、珠江デルタの広東省広州市など9都市では89.2%。それぞれ前年より2.6ポイント7.6ポイント改善した。
うち、珠江デルタでは、「重度の汚染」の日がなく、PM2.5の年間平均濃度は初めて環境基準を達成した。
同部の発表に対し、浙江省杭州市のネットユーザーは「今年はスモッグが前年より早く始まった。青空は、年間に数日しか見えない。病院は呼吸器の患者で溢れている。これでも好転したというなら、恐れ入る」と書き込んだ。
上海市民の1人は「上海の大気の質が改善したとは思えない。毎年悪くなっている」と話している。
湖北省武漢市の民間の環境保護活動家は「2.6ポイント程度改善しても、対策の効果と言えない。工場の稼働率の低下と天候のせいだと思う」と述べた。
(参考)http://boxun.com/news/gb/china/2016/02/201602110550.shtml#.VryGcPKLTIU