国際環境保護団体、グリーンピースはこのほど、パンダの繁殖地を含め中国の天然林の3分の1が違法伐採の危機に面しているとのリポートを発表した。
四川省のジャイアントパンダの生息地でも、低質な森林を改良するとの名目で、天然林約2万ムー(約13.3平方キロメートル)が伐採された。パンダの生息地が縮小したほか、ハンカチノキ、チュウゴクイチイなど「国家一級重点保護植物」も切り倒された。
グリーンピースは2013年からこれまでに、人工衛星画像の解析で森林の破壊箇所を特定した上、7回にわたり四川省で現地調査を行った。
その結果、同省雅安市蘆山県、宝興山などで低質林の改良を理由に、大規模な天然林の伐採が行われてることが確認できた。いずれも世界自然遺産の範囲内だったほか、パンダの最重要の繁殖地も含まれていた。
伐採は、ハンカチノキなど「国家一級重点保護植物」に対しても無差別に行われ、2015年春の段階でも続いていた。いずれも「四川省世界遺産保護条例」、「森林法」など中国の法律に違反する行為だ。
中国では現在、低質林の改良を目的とした森林の伐採は、天然林が例外となっていない。一方で天然林保護を目的とした改良事業が、2017年には全国に拡大するため、低質林の改良を理由とした伐採で、全国の天然林の3分の1が消滅する恐れが出てきた。
(参考)http://www.greenpeace.org.cn/illegal-logging-in-sichuan/