四川省広安市隣水県で16、17の両日、政府による鉄道計画の変更に抗議して、住民10万人がデモを行った。16日夜には、市民と警察が衝突し多数のけが人が出たもよう。警察車両数台も破壊された。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が17日伝えた。
市民側によると、重慶市と陝西省西安市間で計画中の高速旅客鉄道が、もともと隣水県と隣接の大竹県を経由するはずだったのに、広安市中心部しか通らない計画であることを、先ごろ、広安市長が漏らしてしまい、市民が不満を爆発させた。 もともと隣水県は広安市とは別の地域。しかし、広安市が市に昇格した際、隣水県は同市内に組み入れられた。隣水県民に不満もあったが、地元の振興のために物心ともに支援した。それなのに鉄道はやってこなかった。
デモは当初、秩序正しく行われていたが、警戒中の警察官が通行中の女児を盾で小突いて転倒させたことがきっかけで激化した。誰かが「広安の連中がけんかを売った」と叫ぶと、参加者が一気に怒りをたぎらせ始めたという。
目撃者によると、死者はいないが、重傷者は多数に上るという。
中国のメディアは沈黙しており、「隣水県」で検索しても、事件については何も表示されない状態だ。