中国メディアCGTNが外国代理人登録 在米活動に規制

2019年2月6日外 中国政府系メディアの中国環球電視網(CGTN、北京市)傘下のCGTNアメリカが1日、米司法省に外国代理人登録法(FARA)に基づく登録を行った。登録により情報開示が求められるほか、今後、米国での取材活動が規制される可能性がある。米公共放送ボイス・オブ・アメリカ中国語版が伝えた。(写真はVOAのキャプチャー)

 CGTNアメリカが司法省に提出した説明資料は、昨年12月1日から北京本社との関係を明らかにしたものの、政治活動は行っていないことを強調している。資料には、今年1月末までに中国中央テレビ局から800万米ドル(約8億8000万円)を受け取ったことなどが書かれていた。

 CGTNアメリカは、説明資料を提出する一方、司法省に対し「編集権の独立性を持ち、いかなる国の指導や制限も受けない」と述べ米当局の干渉を許さない考えを強調した。ただ、「FARAの登録は、米当局との協力の精神に基づき、極めて慎重な判断の上で行った」と説明している。

 米当局は、中国メディアに対しFARAに基づく登録を要請。中国政府系紙のチャイナ・デーリー、人民日報海外版、新民晩報などが登録を終えた。中国国営新華社通信は登録に応じていない。

 FARAは1938年、ドイツによる宣伝攻勢を防ぐ目的で制定された。ロビー活動や広報活動を行う外国機関が対象で、司法省への登録と最新状況の届け出を義務付けている。収入や支出の情報開示のほか、SNSを含むあらゆるメディアに外国代理人と明記することを求められる。取材が規制されることもある。
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