米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、ポンペオ米国務長官は2日、中距離核戦力(INF)廃棄条約を破棄の手続きを始めたとの声明を発表した。米トランプ大統領も1日、同日付けで条約順守の規定を停止し、半年後に破棄すると宣言した。ロシアのプーチン大統領も2日、同条約の破棄を宣言した。
米公共放送ボイス・オブ・アメリカによると、米国務長官の声明を受け、中国外務省の耿爽副報道局長は2日、INF廃棄条約の破棄への反対を改めて表明するとともに、中国を対象とするいかなる新条約にも同意しない考えを示した。
INF廃棄条約は1987年に締結された、冷戦後初の包括的な兵器禁止条約で、射程5500キロメートルの地上配備型の巡航ミサイルなどの開発や配備を禁じている。
英BBC放送によると、INF廃棄条約は米ロのみが対象。中国が条約の制約を受けず中・短距離核ミサイルの開発を大規模に進めていることが、西太平洋地区の米軍にとり脅威になっている。外交筋によると、ボルトン・米国家安全保障問題担当大統領補佐官がロシアに、中国が同条約の対象になっていないことを破棄の真の理由と説明したという。