米AP通信は7日、米中両国が6日から制裁関税を発動し合ったことを受けて分析記事を配信し「米中関係は、未知の領域に入った」などとする専門家の見方を伝えた。記事によると、トランプ米大統領が習近平・中国国家主席との良好な関係をアピールしているが、元米政府高官らは、両国の対立解消には無益だと指摘している。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。
同通信によると、米中関係の悪化は貿易関係にとどまらず、米国が台湾との関係を強化していること、中国による南シナ海の軍事拠点化を米国が批判していること、米国が中国人へのビザの審査を強化していることなどに、中国は不満を強めている。
米シンクタンク、ハドソン研究所中国戦略センターのマイケル・ピルズベリー所長は「米中関係は未知の水域に入った。北朝鮮の核問題で、中国は米国への協力を減らすだろう」と話している。別のシンクタンクのウィルソン・センター・アジアプログラム局長を務めるエイブラハム・デンマーク氏も「中国は、朝鮮半島で米国と利益が対立するので、貿易戦争のため、米国に協力しようという気持ちが薄くなるだろう」と述べた。