中国医科大学公共衛生学院の孫貴範教授は3日、北京で開かれた学会で中国紙・科技日報の取材に対し、中国で約2000万人が環境基準を超えるヒ素を含む地下水を飲んでいるとの見方を示した。ヒ素による地下水汚染は東南アジアや中南米で深刻で、約2億人が基準を超えるヒ素を含む水を飲んでいるという。澎湃新聞網が5日伝えた。
世界保健機関(WHO)と米環境保護庁(USEPA)はヒ素を発がん物質に認定。長期間触れると皮膚、肺、膀胱などのがんを発症する恐れがあるとしている。
孫教授によると、ヒ素は通常の方法ではろ過できず、分解もできないため、二次汚染の恐れがある。ヒ素を含む地下水は、井戸水を使う経済的に遅れた地区で飲まれており、複雑で高価なろ過技術は普及が難しいのが現状だ。今のところ、ナノセラミックスを使ったろ過は費用が安く、ヒ素を閉じ込めて二次汚染の恐れがないため最も有効だという。