
中国は、米国の戦闘機やミサイルに不可欠な特殊レアアース磁石の輸出許可を依然として出しておらず、米国も人工知能(AI)用半導体の対中輸出規制を維持している。中国代表団は、チップ規制が緩和されなければ譲歩は困難と示唆した。焦点は関税やフェンタニル(合成麻薬)から輸出規制に移っている。
米側は、先月ジュネーブで合意した8月10日の関税停止期限を最大90日延長する可能性に言及した。トランプ大統領は11日、ロンドンでの交渉結果について、「米国にとって非常に有利な内容だ」と強調し、中国側にも同様の努力を期待すると述べた。一方、ベセント財務長官は、レアアース開放とAI半導体規制緩和を交換する「等価交換はしない」と断言した。
中国はレアアースで圧倒的な加工・精製能力を持ち、輸出規制を強化している。これに対し、米国は半導体設計ソフトやジェットエンジンの対中輸出規制を拡大した。ロンドン会談では、中国が非軍事用途の米企業に対し、最長6カ月有効の輸出許可を迅速に審査する「グリーンチャネル」を設けると表明。磁石大手、金力永磁(江西省)は12日に米国向け輸出許可の取得を発表したが、サマリウムなど軍事用特殊レアアースは引き続き対象外とされた。
◇出典
https://www.rfi.fr/cn/%E4%B8%AD%E5%9B%BD/20250615-%E8%B7%AF%E9%80%8F%E7%8B%AC%E5%AE%B6-%E4%B8%AD%E7%BE%8E%E5%86%9B%E7%94%A8%E7%A8%80%E5%9C%9F%E5%83%B5%E5%B1%80%E9%9A%BE%E7%A0%B4-%E5%85%A8%E9%9D%A2%E8%B4%B8%E6%98%93%E5%8D%8F%E8%AE%AE%E5%86%8D%E5%8F%97%E9%98%BB