25年4月18日米半導体大手のエヌビディア 米中の関税戦争が激化する中、米半導体大手のエヌビディアのジェンスン・ファン(黄仁勳)CEO(最高経営責任者)が17日、中国国際貿易促進委員会の招待を受けて北京を訪問した。彼は中国の何立峰副首相や、中国人工知能(AI)新興DeepSeek(ディープシーク)の創業者・梁文鋒氏と相次いで会談し、米中双方の規制要件と顧客ニーズを満たす次世代AIチップの設計について話し合いを行った。台湾の中央通信社などが伝えた。

  今回の訪問は、米政府がエヌビディアに対し、唯一中国向けに合法的に輸出可能だった「H20」チップに無期限の輸出制限を課した直後のことであり、地政学的な意味合いからも注目を集めた。さらにファンCEOは、トレードマークの黒いレザージャケットではなくスーツ姿で登場し、異例の対応との報道が相次いだ。

 トランプ米大統領は「ジェンスン・ファン氏は非常に優れた人物であり友人だ。彼は愛国者であり、私はまったく心配していない」と述べ、エヌビディアの中国との協力に懸念を示さなかった。

 米政府は2022年以降、国家安全保障の観点からエヌビディアの最先端チップの対中輸出を禁じており、H20は性能を制限して開発された唯一の合法製品だった。だが最近、H20に対しても許可制が導入され、事実上の禁輸措置が取られた。エヌビディアはこれにより、第1四半期に約55億米ドルの損失を見込んでいる。

 今回の一連の動きは、米中双方の経済・技術覇権をめぐる攻防が続く中で、企業がその間に立ち回りながら協力と制約の両立を模索している現状を象徴している。

◇出典

https://www.cna.com.tw/news/acn/202504170367.aspx

https://udn.com/news/story/6813/8682552?from=udn_ch2_menu_v2_main_index

https://www.chinatimes.com/realtimenews/20250417005487-260409?ctrack=pc_chinese_headl_p02&chdtv