米公共放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、10月31日のハロウィーンを前に、上海市の警察が厳戒態勢を敷いている。仮装も厳しく規制されており、若者の一部が警察に一時拘束された。「自由の女神」などの仮装で、政権批判を行うことを警戒したためとみられる。(写真はVOAのサイト)
上海市の中心部でバーが集まる「巨鹿路」地区には26日、大量の警察車両が配置され、地区内の広場はフェンスで閉鎖された。路上に数人が立ち止まっていると、警察に立ち去るよう指示されている。
市民の女性は「共産党は、小さな火が燃え広がる可能性があることを分かっている。しかも今は、多くの若者が失業中だ。政府は、思想を持つ若者が、ハロウィーンを利用して政府に抗議するのを恐れている」と述べた。
香港メディアの星島日報によると、新型コロナウイルス禍後、初のハロウィーンとなった昨年は、若者らが仮装でストレスを発散。コロナ期の抑圧の象徴だった防護服姿や、体制批判で知られる文豪、魯迅に扮して暗に政府を批判する若者も見られた。
今年、上海の警察はハロウィーン前の週末である25日ごろから巨鹿路付近で厳戒態勢を敷き、仮装して付近の地下鉄駅から出た若者は、帰宅を促された。周辺の街路の各所では、警察官の詰め所も設けられ、物々しい雰囲気に包まれた。
巨鹿路付近から追い返された仮装の若者らは、愚園路と中山公園に集合。警察官や如来仏、自由の女神などに扮して、周辺の住民と一緒に歌を合唱するなどした。中山公園は27日に臨時閉鎖された。
○中国各地で反ゼロコロナデモ 習主席下野要求も◇参考情報