中国の複数の弁護士によると、中国で今年に入り各地の拘置所の収容者が激増している。不景気で経済犯罪が増えたほか、もともと合法的な行為も警察の判断で犯罪をみなされるケースが増えたためという。台湾の中央通信社が3日伝えた。

 今年1~9月の逮捕者は前年同期比18.5%増、有罪者も8.47%増えた。中国公安省の1月の発表によれば、全国の拘置所は約2300カ所。最近は、未決囚だけでなく懲役1以下の有罪者も刑務所でなく拘置所に収容されている。

 四川省の弁護士によると、監房1部屋の定員は12人だが、現在は20数人が収容されており、横向きでないと寝られない状態。夏でも冷房や扇風機はなく、一部の収容者は暑さのため床に寝ているという。

 複数の弁護士によると、拘置所の収容者が激増している第1の要因は中国経済の低迷で、ネットワークビジネスや詐欺、マネーロンダリングなどの容疑者が増えている。

 また、無許可販売などこれまで合法とされていた行為も、警察の判断で犯罪とされ始めた。資金繰りの悪化で債務不履行になった場合も、詐欺容疑で摘発されることがあるという。

 このほか、川での小魚の密漁などこれまで処罰が軽かった犯罪の厳罰化や、警察が売春や賭博などの取り締まりが強化されていることも、収容者の増加につながっている。

◇出典

https://www.cna.com.tw/news/acn/202410030349.aspx