中国メディアの中国新聞網によると、広東省仏山市禅城区のオフィスビル「万科金融中心A棟」で24日午後3時ごろ、建物が振動を始めビル内にいた事務員らが退避した。 仏山市禅城区の専門家がビルを調べたが、主要構造部の損壊や周辺の地面の亀裂、外壁の脱落などはみられなかった。今後、広東省政府が25日に専門家チームを派遣。さらに詳しく調査を行い、構造の安全性などを確認する方針だ。

 中国のSNS(交流サイト)には、ビル内にいた事務員らが次々と「船に乗っているような感じがした」、「地面全体が揺れた」などと書き込んだ。

 A棟近くの地上には24日午後3時40分ごろには、中から逃げてきた100人余りが集まった。うち1人は「3時30分ごろから揺れ始めた。みんなが一斉に避難を始めた」などと述べた。隣接のB棟、C棟では揺れはなかった。

 広東省では2021年5月にも、深セン市福田区の超高層ビル「賽格広場大廈」が振動を始め、事務員らが急ぎ避難する騒ぎが起きた。同年7月中旬に専門家が調べたところ、屋上の塔の付近に起きる風が原因で、建物全体が激しく共振することが判明。塔の撤去が行われて、ビルは同年9月に再開した。

◇参考情報
超高層ビルが原因不明の振動 勤務者ら急ぎ避難 深セン