故毛沢東主席の時代に称賛された「楓橋経験」と呼ばれる住民動員型の治安維持モデルの復活を、中国の習近平国家主席が推進している。専門家は、住民の相互監視がさらに強まる恐れがあるとみている。台湾の中央通信社が12日、香港の英字紙、サウスチャイナ・モーニングポスト(SCMP)などの情報として伝えた。
SCMPの11日の報道によると、「楓橋経験」は住民動員による社会問題解決や治安維持のモデルで、楓橋は浙江省の地名。1963年に毛沢東が称賛したため、有名になった。その後、触れられることはなかったが、習主席が20年前、浙江省トップの党委員会書記に就任後、再度称賛を始めた。
米国の民間研究団体、チャイナ・メディア・プロジェクトのバンダースキー・ディレクターは「楓橋経験は、さらに幅広く中国社会全体を統制する方法の一つ。既に司法や公安(警察)機関にとって重要な言葉となっている」と述べた。
米国の民間研究団体、チャイナ・メディア・プロジェクトのバンダースキー・ディレクターは「楓橋経験は、さらに幅広く中国社会全体を統制する方法の一つ。既に司法や公安(警察)機関にとって重要な言葉となっている」と述べた。
バンダースキー氏によれば、習氏は2018年にも、北京市石景山区の一部で行われた、住民動員型の社会管理と治安維持モデルを称賛する文章を発表している。石景山区では、一部地区で住民がボランティアの治安維持団を結成して現地警察に協力した。事実上、警察への密告者の役割を果たしていた。
米シカゴ大で政治学を研究する楊大利教授も「『楓橋経験』は、治安維持と密接に関連している」と指摘。既に中国式の社会統制方法の一つになっているという。
一部の専門家は、楓橋経験で社会の相互監視が強まるほか、末端の政府機関や警察が、事件・事故を握りつぶすためにも機能すると指摘した。
◇出典
https://www.cna.com.tw/news/acn/202311120209.aspx