台湾の中央通信社によると、中国政府が審議を始めた「治安管理処罰法」の改正案に、「中華民族の精神を損なう」、「中華民族の感情を傷つける」行為を処罰する条文が盛り込まれていることが分かった。行為の具体的な定義はなく、ネット上では、随意に「売国奴」などの罪を着せて処罰するための法だとして、疑問の声が挙がっている。
同法改正案は第34条で「公共の場で中華民族の精神を損ない、感情を傷つける服装やシンボルを身につける」などの行為は、処罰すると定めた。中国では和服を着た女性が警察の注意を受ける事例がしばしば起きている。
罰則は、5~10日の行政勾留か、1000~3000元(2万~6万円)の罰金。犯情が重ければ、10~15日の行政勾留と、5000元以上の罰金支払いを同時に命じる。
改正案は8月末に全国人民代表大会(国会に相当)常務委員会で審議が始まり、現在は9月30日までの期限で意見公募が行われている。
改正案に対して、清華大学で刑法を専門とする労東燕教授がSNS(交流サイト)で、あいまいな概念を処罰の基準とするもので、行政罰の範囲を容易に拡張できるとして反対を表明した。華東政法大で憲法を専攻する童之偉教授も、罪の認定の基準がなく、行政責任者による任意の拘束が可能になるとして、懸念を示した。
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◇出典
https://www.cna.com.tw/news/acn/202309050404.aspx
https://www.cna.com.tw/news/acn/202309060355.aspx
◇参考情報