20230601データ米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは5月30日、中国の金融情報サービス大手・万得信息技術(ウインド、上海市)が、海外のユーザーに対し同社の一部情報へのアクセスを制限し始めたと報じた。同社は、銀行や証券会社、資産運用会社にとって長年に渡り、不可欠な情報源とされてきた。(写真はWSJのサイト)

 同社のソフトウエアは、中国本土で広く使われ、海外の金融アナリストや投資家、エコノミストの間でも人気が高かった。しかし、中国当局は、外国企業やアナリストによる情報収集を規制する一環として、これまで公開情報とされたデータを含め、ウインドのサービスを利用できなくした。
 台湾の中央通信社によると、台湾政府の研究機関、中央研究院社会学研究所の林宗弘研究員は5月31日、中国当局によるウインドのデータの利用規制について「海外利用者を心理的に威嚇することが目的。中国内の人物が、情報を海外に渡せば、反スパイ法違反などに問われる恐れがある」と述べた。

 林研究員によれば、中国当局による今回の規制は、中国経済の悪化を予期して、ネガティブな情報が海外に漏出しないようにする狙いなどがある。ただ、中国経済の実際の状況が不透明となることで、外国企業が投資意欲を減退させ、一層の経済悪化をもたらす可能性があるという。

◇出典

https://www.wsj.com/livecoverage/stock-market-today-dow-jones-05-30-2023/card/IEqBamykQYzVKNrfNHLb?mod=Searchresults_pos1&page=1
https://www.cna.com.tw/news/acn/202305310048.aspx

◇参考情報
中国情報会社、世界で要人ら240万人の個人データ収集