国際人権団体、アムネスティ・インターナショナルは26日、ウイグル人の学生が10日に韓国から香港に入国後、行く方が分からなくなっているとして、香港政府に説明を求めた。同団体は、学生が中国本土に連行され、拘留や残虐な扱いを受けている可能性があるとして懸念を示した。台湾の中央通信社が28日伝えた。

 アムネスティによると、ウイグル人は「アブドゥワイリ・アブドゥレヘマン」さん。今月10日、友人にショートメッセージを送ったのを最後に音信不通となっている。アブドゥワイリさんはその中で「香港の空港に到着後、中国の警察の尋問を受けている」と書いていた。

 アムネスティの中国問題研究員、アルカン・アカッド氏は「中国政府が、新疆のウイグル人に対し犯している人道に反する罪や、出国したウイグル人への追跡を続けていることを考えると、アブドゥワイリさんの命運に深い憂慮の念を抱く」と話している。

 アブドゥワイリは、新疆・カラマイ市出身。7年前から韓国・ソウルに留学し22年に博士号を取得した。アムネスティによると、中国政府は外国の渡航歴があるウイグル人を監視対象としており、それだけで長期拘束することもあるという。

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