英ＢＢＣ放送は25日、山西省北部の棺製造業者が多忙を極め、最近数カ月間、休みなく稼働しているとする現地リポートを放送した。中国で新型コロナウイルスの感染による死者が急増していいることを反映しているものとみられる。中国で昨年12月からコロナの感染者が爆発的に増える中、当局が発表する死者数を巡っては、真偽が議論の的となっている。（写真はBBCのウェブサイトの画面）

　中国の感染症の専門家、呉尊友氏によると、政府が「ゼロコロナ」政策を撤廃した昨年12月以降、人口の約80％（約10億人）が感染した。また、当局は、昨年12月8日から今月12日までの病院でのコロナの死者が約6万人だったと発表した。ただ、死者はいずれも入院患者。農村部は医療機関が少ないが、自宅で亡くなった患者は発表のデータに含まれていない。

　ＢＢＣは、山西省北部の農村の状況から、死者数はかなりの数に上り、しかも増加が続いていると伝えた。現地の葬儀業者はいずれも、死者が急増しているとした上、コロナが死因だと話している。葬儀用品の製造業者は、注文が通常の2～3倍に上ると述べた。

　現地の診療所の医師は、既に住民の80％がコロナに感染したと指摘。死者の大多数は潜在的に基礎疾患があったと述べた。この診療所は地域で唯一の医療機関で、地元の発症者がほぼ全員訪れる。ただ、この医師は「最もひどい時期は過ぎた。最近数日は、患者が来ない」と指摘した。

　

◇参考情報

○江西撫州で全住民ＰＣＲ検査　「感染率把握のため」

○中国のコロナ死者、1週間で1.3万人　当局が発表

○発熱、急患、重症のピーク去る　中国当局が宣言