20230110重 米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、新型コロナウイルスのPCR検査キットなどを生産する医療機器メーカー、中元匯吉生物技術(中元匯吉)の重慶市大渡口区の工場で7日、人員解雇と賃金未払いに抗議する従業員数千人がデモを行った。警官隊が出動して従業員が衝突し、多数のけが人が出た。中国では最近、湖南や浙江、広西でも、賃金支払を求める出稼ぎ労働者の抗議活動が起きた。

 中元匯吉ではコロナ用のPCR検査キットや全自動核酸抽出装置の製造会社。昨年12月初めに従業員を募集した際は受注が多く、賞与の支給も行った。しかし、今年1月6日に突然、約8000人の解雇を通知した。

 香港メディアの星島日報によると、中国政府が昨年12月、コロナ感染者を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」を停止したことで受注が途絶えた。会社側は事前の話し合いをせずに解雇を通知。賃金も支払わなかった。

 ネット上の投稿映像によると、従業員は怒りに任せて工場内の装置を壊したほか、机や椅子、原材料を放り投げた。従業員は工場外にも集まって抗議を行い、駆け付けた人材仲介会社の社員を袋叩きにした。解雇された従業員の多くは臨時工だったという。

 従業員は7日夜になっても工場近くの街路で抗議を続け、警察の機動隊員と衝突。従業員はプラスチック製の箱やペットボトルなどを投げ付け、一部の警官隊が押し戻される場面もあった。けが人が出て、救急車が多数が出動した。

 RFAによると、7日夜、重慶市政府が介入。工場側が12月分の賃金支払いと解雇手当として1人1000元の支払いを約束し、抗議活動は終息した。

◇出典

https://std.stheadline.com/realtime/article/1897681/%E5%8D%B3%E6%99%82-%E4%B8%AD%E5%9C%8B-%E9%87%8D%E6%85%B6%E6%A0%B8%E9%85%B8%E4%BC%81%E6%A5%AD%E7%AA%81%E7%84%B6%E5%A4%A7%E8%A3%81%E5%93%A1-%E5%93%A1%E5%B7%A5%E6%80%92%E7%A0%B8%E5%BB%A0%E8%88%87%E8%AD%A6%E6%96%B9%E8%A1%9D%E7%AA%81

https://www.rfa.org/mandarin/yataibaodao/renquanfazhi/gt2-01092023065532.html

◇参考情報
南京工業大でコロナ封鎖に学生抗議 キャンパス離脱を要求