20221118加 米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、インドネシア・バリ島で開かれた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の会場で16日、中国の習近平国家主席がカナダのトルドー首相に詰め寄り、前日の非公式会談の内容が報道されたことに対し「不適切だ」などと苦言を述べる一幕があった。(写真はVOAのサイト画面)

 習主席が、身振りを交えて不満を述べる映像がメディアに報じられ、カナダでは「無礼で、カナダをばかにしている」などと不満の声が挙がっている。対中世論が硬化し、両国関係が悪化する可能性もある。

 台湾中央通信社によると、習主席はG20サミット会場でトルドー首相の間近に近づき「われわれの話しの内容を新聞に伝えたね。適切じゃないよ。われわれはああいう風にはしない」と不満をぶつけた。

 習主席は両手を広げる身振りを交え「誠意があるなら、お互いに尊重する態度でやり取りをするべきだ」など説教した。さらに習主席は2人の別れ際、「無邪気なもんだ」などと首相を批判する言葉をつぶやいた。

 習主席による苦言は、15日に3年ぶりに行われたカナダとの首脳会談で、トルドー首相が中国によるスパイ活動とカナダの選挙に対する干渉に「重大な懸念」を示したことと関係があるとみられている。

 カナダの元中国駐在外交官は、カナダのCBCニューズに対し「習主席は、米大統領にはああいう話はしない。習氏は、カナダの首相をばかにし、カナダを重要なパートナーとみていない」と指摘した。

 元外交官はさらに「中国の国家主席が他国の指導者に、あのように外交儀礼に完全に反し、粗暴な発言をするのを聞いたことがない」と語り、習主席を批判した。

◇出典

https://www.rfa.org/mandarin/yataibaodao/junshiwaijiao/lf-11172022101427.html

https://www.cna.com.tw/news/aopl/202211170004.aspx