20220927国東京の日本武道館で27日行われた、安倍晋三元首相の国葬で、台湾の蔡英文総統は、党派のバランスと日中関係に配慮して、与野党の前・元国会議長を代表として派遣した。中国は、国政助言機関・全国政治協商会議(政協)副主席で非共産党員の万鋼氏を出席させた。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が27日伝えた。(写真はRFAのサイト画面)

 台湾のシンクタンク国防安全研究院の王尊彦研究員は、中国が軽量級の代表を派遣したことについて「日中国交回復50周年の2日前に、中国政府は、岸田文雄政権に恥をかかせて圧力を掛けた」と分析している。 

 台湾は、7月8日に安倍氏が死去した直後、頼清徳副総統が安倍家に駆けつけた。国葬では、民進党の前立法院長(国会議長)、蘇嘉全氏と、国民党の元立法院長、王金平氏を派遣。李登輝元総統の娘、李安ネイ(女へんに尼)氏も安倍家の招待を受けて出席した。

 王研究員は「台湾の代表団は、十分に重量級。与野党のバランスもとった。現役でないことで、日中関係にも配慮した」と話している。

 なお、日本政府は国葬の献花の際、司会役は台湾代表を「台湾」と呼んだ。専門家は、日本政府が台湾の独自性を尊重したものとみている。

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