20220715不 米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、中国各地で不動産開発会社の資金不足によりマンションの建設中断が相次ぐ中、予約購入したオーナーの間で、住宅ローンの返済拒否を宣言する動きが相次いでいる。中国当局は、金融不安を招く恐れがあるとして、危機感を強めている。(写真はRFAのサイト画面)

 現在、全国の20都市で、マンション50カ所の購入者が、工事再開まで返済拒否を宣言した。「一線都市」深センの高級マンションの購入者も加わった。米ブルームバーグ通信によると、中国の金融監督部門がこのほど、銀行の代表者を集めて緊急会合を開催。対応を話し合った。

 広東省深セン市宝安区の高級マンション「佳兆業◆(木へんに越)伴山」は、2年前に完売したが、工事が中断。ネット情報によると、オーナー全員が、7月20日までに工事が再開されなければ、8月からローンの返済を拒否すると宣言した。

 業界関係者によると、この高級マンションの工事は既に再開されており、ネット情報がデマである可能性もある。しかし、不動産会社の多くが経営危機に直面しており、オーナーの懸念は当然とみられている。

 台湾・中央通信社によると、住宅ローン返済拒否宣言に絡み、中国の銀行多数が14日、工事中断中の高級マンションに対する貸出残高を公表した上、経営へのリスクは限定的とする異例の声明を発表した。

 返済拒否の動きが広がれば、金融危機が起きる恐れがあり、中国の株式市場では銀行株の株価が急落している。

◇出典

https://www.rfa.org/mandarin/Xinwen/11-07122022145032.html

https://www.rfa.org/mandarin/yataibaodao/jingmao/gf2-07142022113424.html

https://www.cna.com.tw/news/acn/202207140356.aspx

◇参考情報
武漢でマンション値下げ抗議デモ 警察が多数拘留