江蘇省蘇州市市政府は14日、同日午前11時までに新型コロナウイルスの新規患者7人と無症状感染者1人を確認したと発表した。患者の6人は、外国企業も多数進出する「蘇州工業園」で働いていた。　

　蘇州市政府は15日、市外への感染拡大防止策を発表。住民に不必要な外出と市外に出ることを禁じたほか、高速道路の出入り口15カ所を閉鎖。高速道路の市の境界に検疫所31ヵ所を設置した。また、蘇州工業園内の住宅地の一部を新型コロナウイルスの感染リスク等級で「中」に指定して封鎖した。

　台湾中央通信社によると、台湾の半導体受託生産会社、聯華電子（ＵＭＣ）は14日、蘇州市の8インチウエハー工場の従業員1人が感染したと発表した。全従業員のＰＣＲ検査を進めており、工場は生産を一時停止したという。

　中国メディアの証券時報によると、半導体デザイン会社の中穎電子（上海市）は14日、蘇州工業園内の半導体製造会社、和艦芯片製造と京隆科技の2社が新型コロナの影響で操業を停止したため、生産に大きな影響が出ていると発表した。中穎電子は、生産再開が遅れれば、さらに深刻な影響が出る恐れがあるとしている。

　中央社によると、江蘇省蘇州市内の昆山市と地下鉄でつながる上海市では、地下鉄会社の上海申通地鉄集団が14日、地下鉄11号線の昆山市内の3駅の営業を停止すると発表した。

　蘇州市は、域内総生産（ＧＤＰ）で全国都市で6位。蘇州工業園のＧＤＰは2021年は3250億元（約6兆円）で、蘇州市各区で首位だった。