米公共放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席と28日、オンラインで会談し、7月に締結20年を迎える「中ロ善隣友好協力条約」の延長に合意した。専門家は、米国など西側諸国と緊張関係にあるロシアと中国が、団結を誇示する意味があるとみている。

 両首脳は、ロシアと中国の関係は、第3国に対するものではないと強調した。しかし、習主席は会談の中で「民主と人権の看板を掲げて他国の内政に干渉したり、一方的に制裁を課すことに反対すると述べており、米国と同盟国を念頭に置いていることは明らかだ。

 両首脳は会談で、2001年7月に締結された同条約が、両国関係を「かつてない高み」に押し上げたと評価。ロシア大統領府は「世界各地で衝突の可能性が増す中、ロシアと中国の協力は、国際問題を安定させる働きがある」と指摘した。プーチン大統領は「条約は2022年2月に期限を迎えた後、5年間、自動延長する」と述べた。

 ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)によると、中国は、バイデン米大統領とプーチン大統領が初の首脳会談を開く一方、プーチン大統領が、訪ロした中国外交トップの楊潔チ(竹カンムリに褫のつくり)と会談しなかったことを憂慮。ロシアとの関係強化を極めて重視している。条約延長は実質よりも象徴的な意味が大きいとみられる。

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