22021年4月2日情 豪ABC放送は1日、中国上海市公安局のデータベースが昨年末、ハッカーの攻撃を受け、約110万件の文書や監視記録が外部に漏れたと報じた。同局は2017年だけでも、外国人約5000人分のパスポートの情報と顔写真を収集しており、うち161人は豪州人、150人は英国人だった。ウイグル人や反体制派約2万5000人の個人情報が含まれ、うちウイグル人約8000人が「テロリストの疑い」に分類されていたという。香港のニュースメディア、東網が1日伝えた。(写真は東網のサイト画面)

 サイバーセキュリティー会社「インターネット2.0」がハッカーから情報を入手し、豪州の情報機関やABC放送に渡した。情報は名簿や顔と車両識別用の写真のほか、17年に上海を訪れた外国人数千人のパスポートの情報などが含まれ、このうち多くが外国政府職員や経済界の指導者のものだった。

 豪州関連では、前駐日豪州大使で国家脅威評価センター(NTAC)主任のブルース・ミラー氏が含まれていた。ミラー氏は18年、妻子と中国の観光に訪れた際、データを収集されていた。情報には、通信キャリアのテルストラ、ナショナルオーストラリア銀行の幹部らの氏名も掲載されたており、豪政府が詳しい状況を調べている。

 インターネット2.0のロバート・ポッターCEOは「情報は、中国の大規模な情報監視システムの一部だ。中国当局による、反体制派追跡の方法を理解するのにも役立つ」と話している。


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