中国漁船約220隻が南シナ海のサンゴ礁「牛軛礁」周辺に集結している問題で、フィリピンのドゥテルテ大統領の報道官が25日、大統領が深く憂慮していると発表した。報道官は「大統領は心から憂慮している。船の数をみれば、いかなる国でも憂慮するだろう」と語った。米公共放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が25日伝えた。

 フィリピン政府は漁船の退去を求めているが、中国は「風を避けているだけだ」として応じていない。フィリピンは中国の漁船員を「海上民兵」とみなしている。

 報道官によればドゥテルテ大統領は最近、フィリピン駐在の黄溪連大使と会談した際、フィリピンが南シナ海の領有権をめぐり、オランダ・ハーグの仲裁裁判所で起こした訴訟で、2016年に勝利したことを改めて指摘したという。 

 フィリピン軍は、海軍の艦艇に対し、南シナ海での領海パトロールを行うよう指令した。フィリピン軍の報道官は「フィリピン軍はいささかも動揺せず、国民の保護に力を尽くす。豊かな漁場に対する権利を確保する」と述べた。 

 フィリピンは「牛軛礁」が自国の排他的経済水域(EEZ)に属すると主張。中国は、南沙(スプラトリー)諸島の一部だと主張し、中国漁船が操業を続けてきた。

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