台湾・中央通信社によると、米中関係が悪化する中、中国政府は「抗米援朝(朝鮮戦争)70周年」を記念する宣伝を大々的に行い、特に「抗米」を強調している。中国は、世界貿易機関(WTO)に加盟後の10数年間で、「抗米」を強調した朝鮮戦争の宣伝は初めてとなる。

 抗米援朝は、朝鮮戦争の中国の呼び方。朝鮮戦争は1950年6月、北朝鮮の韓国侵攻で始まり、53年に停戦で合意した。中国は50年10月19日、秘密裏に参戦し、「志願軍」が中朝国境の鴨緑江を超えた。

 習近平国家主席は19日、共産党の最高指導者を引き連れ、北京の中国軍事博物館を訪れ、「抗米援朝」をテーマとした展示を参観。「中華民族を励まし、一切の困難を克服して、強大な敵に打ち勝たなければならない」と述べた。 

 中国では民間の反米意識もあおられている。朝鮮戦争をテーマにした映画「金剛川」が封切られ、中国の小部隊と米軍との戦いが描かれている。遼寧省丹東市の「抗米援朝」記念館が9月、6年ぶりに開館したが、以前の「国連軍」の表記がなくなり、米軍を侵略者として表示した。テレビでも「抗米援朝」の20回連続のドキュメンタリー番組が放送され、米国の侵略が強調されている。

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