安邦 中国経済誌「財経」は13日、中国保険業界の最大手、安邦保険集団の呉小暉董事長が9日、当局に連行されたと報じた。安邦保険のウェブサイトも14日、呉董事長が個人的な理由で職務履行ができなくなったと伝えた。ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)が伝えた。(写真は、RFIのキャプチャー)

 保険業界の監督機関、中国保険監督管理委員会(保監会)の係官が安邦保険に出向いて呉董事長の連行を伝えたが、詳しい理由や事情は明らかにしなかった。

 呉小暉董事長は、中国の元最高指導者、故・鄧小平氏の孫の夫。トランプ大統領の娘婿、ジャレッド・クシュナー大統領上級顧問と交流があるなど、米中両国の政界に太い人脈を持つ。

 今年秋、中国共産党は第19回全国代表大会(第19回党大会)を開いて次期最高指導部を選出する。政治的に敏感な時期に呉董事長が拘束されたことに内外の注目が集まっている。

 安邦保険は2004年、浙江省寧波市で小規模な損害保険会社として発足。その後、わずか12年で急成長し業界のダークホースと呼ばれている。近年は海外投資を繰り返し、2016年だけで約60億米ドルの資産を買収した。一方で、同社が様々な政治派閥間の権力闘争に巻き込まれているとの見方もある。