2019年7月18日水7月上旬以降、中国の江西省、広西チワン族自治区、広東省、湖南省で相次ぎ洪水が発生し、一部で堤防が決壊し、大きな被害が出ている。水利省は14日、各地の河川377本で水位が洪水の警戒レベルを超えたと発表した。しかし、中国公式メディアの報道は極めて低調で、被災面積や人口、被害金額などの報道内容が実際よりかなり少ないとの指摘が出ている。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。 (写真はRFAのキャプチャー)

 海外SNSには、各地の被災状況を映した画像が相次ぎ投稿されている。うち、湖南省の湘江では住民多数が協力して土のうを積み上げているが、川面は両岸の地面を約5メートルも上回る様子が映っていた。一部では、川を遺体が流れる映像も流れた。別の映像では、同省衡山県では9日、堤防が約15メートル決壊し、自動車や家屋が水没する模様も。投稿者の1人は「メディアは、5日遅れて決壊を報じた」と指摘した。

 中国メディアは、政府高官による災害救助の指導ぶりを伝えることに熱心で、被災状況を詳しく報じていない。中国のSNS上の指摘では、中国中央テレビ局は17日未明、米国の停電を報じたが、湖南省の水害は伝えなかった。住民の1人はRFAに「庶民に本当のことを知らせないので、避難の計画も立てられない」と話している。

 中国の各メディアによると、湘江の下流域では50年に1度の洪水が発生、水利省は11日、湘江下流域に担当官と専門家のチームを派遣して対策への指導や助言を行わせている。気象当局は7月中旬から8月中旬まで、長江中下流、黄河、松花江、珠江などで洪水発生の恐れがあると見ている。


 
★参考情報★
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