2019年3月13日奥米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)は12日、中国内で製造された高級乗用車アウディの所有者が、白血病など重病にかかったとネット上で次々に訴え、注目を集めている。訴えは車内の異臭と関連づけている。(写真はRFAのキャプチャー)

 ハンドル名「豆豆在哭」の投稿者は9日、他の所有者ら5人と連名で、アウディ購入後、重病にかかったとする経験談をメッセンジャーアプリ「微信」を通じ公開。6人のうち5人が急性骨髄性白血病だという。「豆豆在哭」は、同様の経験があるアウディ所有者に連絡を呼び掛けた。

 投稿には約150万人が感想を書き込むなど、大きな反響を呼んだ。ただ、「豆豆在哭」は、嫌がらせを受けたとして、既にアカウントを閉鎖した。

 中国中央テレビ局は2013年3月、中国製アウディ車内の異臭問題を取り上げた番組を放送。製造元で独フォルクスワーゲン(VW)が出資する自動車メーカー「一汽大衆」が、制振材に発がん性ガスが出るアスファルトを使っていると指摘した。

 広東省深セン市の消費者委員会は17年、消費者の訴えで「アウディQ5」の車内の異臭について調べたところ、ホルムアルデヒドなどTVOC(総揮発性有機化合物量)が基準を超えていた。一汽大衆は17年3月、2013年~16年に生産したアウディに異臭問題があることを認めている。

 アウディ本社は12日、「豆豆在哭」の状況に同情を示したものの、製品と白血病との関連を示す証拠はないと発表した。第三者機関の検査でも、ホルムアルデヒドの検出量は、国の基準をを下回っていたという。