米ニューヨーク・タイムズは28日、米衛生当局者の話として、中国が米国に対し鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の標本の引き渡しを拒否していると報じた。米国との貿易戦争に絡み中国が報復した可能性がある。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が同日伝えた。

 当局者によると、ウイルスのサンプルはワクチンや治療方法の開発に不可欠。米政府や研究機関が要求を続けているが、中国は一貫して引き渡しを拒否している。米中貿易戦が始まる前、この分野での米中交流は、世界保健機関(WHO)の規則に従い定期的に行われていた。

 ハーバード・メディカル・スクールのマイケル・キャラハン博士は「ウイルスのサンプルは、(貿易戦争で制裁関税対象となっている)大豆やアルミとは訳が違う。治療方法研究の妨げとなる」として批判した。
 専門家によれば、H7N9型が世界的大流行につながる恐れがあるウイルスの1つ。かつて感染者の40%が死亡した例もある。米国人は免疫力を持っていない。

 WHOの規則は加盟国に対し、流行の恐れがあるインフルエンザ・ウイルスの標本を指定研究機関に提出することを義務付けている。


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