広東省清遠市の養豚場で子ブタ約2万頭が相次ぎ病死したのは、コウモリが媒介する新型ウイルスが原因であることを中国科学院武漢ウイルス研究所の研究チームが突き止め、英科学誌ネイチャーで5日発表した。澎湃新聞が伝えた。

 研究チームは、2002年に発生した急性呼吸器症候群(SARS)の原因ウイルスもコウモリが媒介していたことを解明している。今回判明した新型ウイルスに、ヒトが感染した例はみつかっていない。同市は、SARSの感染者が最初に見つかった広東省仏山市から100キロで比較的近い。

 同市の養豚場4カ所では2016年10月から17年5月までの半年間に、子ブタ2万4693頭が相次ぎ死んだ。当初はブタ流行行性下痢ウイルス(PEDV)が原因とみられたが、17年1月からは検出が止まり、新しい病気としてブタ急性下痢症候群(SADS)と名づけられた。

 研究チームはまもなく、SADSはコウモリが媒介する新型ウイルスであることを確認した。同研究所は、2002年に発生し774人が死亡した急性呼吸器症候群(SARS)の原因ウイルスの発生源が、雲南省・昆明の洞くつのコウモリだったことを17年に突き止めた。

 SARSは2002年に最初の患者が見つかり、約8000人が感染し774人が死亡した。

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