山東、河南、湖北など多数の省でこのほど激しいスモッグが発生し、一部都市では21日、視界が100メートル以下に低下した。中国当局は大気汚染対策として、暖房燃料の石炭から天然ガスへの転換を大規模に実施しているが、住民からは「大した効果がない」との声が挙がっている。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。

 中国中央気象台は、21~22日、河南・中東部、山東・南部、江蘇、湖北・東部で重度のスモッグになるとの予報を発表した。22日夜から寒気の影響で、北から順番に解消する見通しだ。 

 山東省臨沂市の男性は21日「スモッグはもう4~5日続いているが、この2日間が特にひどい。戸外を歩くとめまいがする」と話している。

 中国当局は近年、暖房燃料の転換を進めており、昨年は特に作業を加速。厳寒の中、一部で天然ガス不足から暖房が止まる騒ぎが起きている。中国の李干傑・環境保護相は「暖房用小型ボイラーの廃棄を進め、北京、天津、保定(河北)、廊坊(河北)の約1万平方キロが石炭ゼロの地域になった」と述べ成果を強調した。 

 臨沂市の男性は「最近のスモッグの深刻さをみると、燃料転換は大した助けになっていない」と語った。河南省の環境保護活動家は「中国の深刻なスモッグは、燃料油の品質の問題で、行政的な手段だけでは解決が難しい」と話している。