インド紙・タイムズ・オブ・インディアはこのほど、インド・シッキム州、ブータン、中国・チベットに近いドクラム(中国名、洞朗)で、中国軍が兵舎などからなる永久的な駐屯地を建設していると報じた。1600~1800人が駐留しているとみられる。中央社が11日伝えた。

 中国軍はヘリポート2つ、プレハブの兵舎、えん体、商店を建設したほか道路も改良。高地での厳しい寒さに対応できるようにした。

 中国がドクラムで道路建設を始めたことから、インドと中国の両軍は今年6月から70日以上にらみ合いを続けた。

 インドの安全保障担当者は、中国によるドクラムでの道路建設を阻止し「戦略的目標の達成」に成功したものの、中国軍が恒久的に駐留してしまったと述べた。インドがブータン領とみなす土地への中国軍の冬季残留は今回が初めてという。

 中国国防部の呉謙報道官は11月末の会見で、ドクラムの中国軍部隊が撤退しないことを質問された際、「ドクラムは中国の領土で、部隊の配置は自主的に決める」と述べた。