北京市南東部の大興区西紅門鎮でアパートが焼け27人が死傷したことを受け、北京市当局がこのほど、違法建築の集中取り締まりを始めるとともに、出稼ぎ者を中心とする住民の退去を命じた。厳冬期に住居を失った出稼ぎ者へ同情する声が挙がっており、学者ら知識人130人が25日、人権違反だとして北京市政府を批判する公開書簡を発表した。台湾のニュースメディア、上報が伝えた。

 北京市政府は火災直後の21日、大興区西紅門鎮の火災現場付近の違法建築の商店、アパートなどに撤去を通告。住民に1~2日で退去するよう命じた。この結果、高齢者や子どもを含む住民約1万人が、夜には気温が零下に下がる北京の街頭に放り出される結果となった。

 学者ら知識人130人の公開書簡は、厳寒期に出稼ぎ者らにわずか数日内に無条件で退去するように命じ、何も救済措置を行わないのは財産や生存権に対する侵害だと指摘。大興区では2011年にも火災が起きたのに当局は対策を取っておらず責任があるとして、退去した住民らに補償するよう求めた。