習近平総書記(国家主席)は、18日に開幕した中国共産党大会の活動報告で、香港とマカオについて、一国二制度の方針を守る一方で、全面的な統治権をしっかり維持すると述べた。専門家は、中国当局が今後さらに積極的に香港に関与し、反対派への圧力を強める考えを示したものと指摘している。台湾中央社が18日伝えた。

 習総書記は活動報告で「一国二制度の方針をしっかりと貫徹する一方、憲法と基本法が中央政府に与えた全面的な統治権をしっかり維持し、香港とマカオに安定した繁栄をもたらしたい」と語った。

 中国の全国香港・マカオ研究会の劉兆佳首席顧問は、習総書記の活動報告について「香港自らの統治権とともに、中央政府に対し応分の権力を持っていることを示した」と指摘。「中国は香港の主権返還後、香港に関心を払わなかったが、路上占拠デモなどが行われたことで、一国二制度の誤りを懸念し、国家主権への脅威と考えるようになった」と述べた。 

 劉顧問は「国家の主権や安全に脅威を与える言動に対し、中国政府の容認度はゼロに近づきつつある」と語った。

 香港民主党の李柱銘前主席は「中央政府が香港への全面的な統治権を持つなら、一国二制度の約束に反し、香港は中国の1つの都市になってしまう」と述べた。