台湾中央通信社によると、自動車展示会「上海モーターショー」の米電気自動車（ＥＶ）メーカー、テスラの展示場で19日午前、女性オーナーが「ブレーキが利かない」などと叫んで暴れた騒動で、中国の党と政府メディアが20日、「傲慢だ」としてテスラの対応を批判するコメントを相次ぎ発表した。背景には米中対立をきっかけとした、ネット上などでの反米感情の高まりがありそうだ。（写真はRFAのサイト画面）

　女性は19日、「ブレーキが利かない」の文言入りのＴシャツを着てテスラの展示場に現れ、ルーフ登ってこの文言を叫ぶなどした。女性は警察に連行され、5日間の行政拘留を命じられた。

　テスラの中国法人は、女性の訴えは不合理であり、会社として「妥協しない」との声明を発表。中国法人の副責任者は、この女性が今回同様の騒動を続けており「彼女はプロであり、背後に誰かがいる」などと述べた。

　中国のネット上では、女性の騒動に対しは賛否両論が出たが、テスラのコメントなどに対しては、否定的な意見で一色になった。

　米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア（ＲＦＡ）によると、メディアも国営新華社通信が20日、テスラの対応を「傲慢」だと批判し、同社に対する監督の強化を主張した。中国共産党で警察や司法を管轄する「政法委員会」はＳＮＳの公式アカウントで、オーナーの苦情に対するテスラの対応は傲慢で、消費者を失望させていると指摘した。

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