香港で中国製新型コロナウイルスワクチンを接種した2人が死亡したのに続き、香港衛生署は7日、さらに2人が副反応による不調を訴えて病院に運ばれたと発表した。うち1人が重体という。台湾・中央通信社が7日伝えた。

 香港の報道によると、衛生署は、中国の製薬会社・科興控股(シノバック・バイオテック)のワクチンを接種した2人に、深刻な副反応が現れ、病院で治療を受けている。

 1人は80歳男性で、糖尿病や高血圧などの持病がある。3月1日に新界・元朗地区の専門施設でワクチンの接種を受けた。6日に胸の痛みなどの症状が出て入院。その後、症状が悪化して集中治療室(ICU)に移された。「急性環症候群」と診断され、重体となっている。

 別の1人は72歳の女性で、糖尿病や高血圧の持病がある。6日に新界・将軍澳地区の専門施設でワクチンを接種後、体が衰弱して病院に運ばれた。体が酸性に傾いて意識障害などを起こす「糖尿病ケトアシドーシス」と診断され、ICUで治療を受けている。

 香港では2月26日から、シノバック・バイオテック製ワクチンの接種を始めたが、28日に男性(63)が死亡した。当局は、死因は急性心疾患で、ワクチン接種とは無関係と結論づけた。

 3月2日にも、ワクチン接種後の女性(55)が死亡した。死因は急性の脳内出血で、「新型コロナウイルスワクチン臨床事件評価専門委員会」が8日会合を開いて、女性の死亡原因の検証を行う。

★参考情報★
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香港で中国製ワクチン接種後に男性死亡 当局が調査
中国製ワクチン、効果は限定的 香港専門委が公表