22020年12月17日煤 オーストラリアとの関係悪化に伴い、中国が豪州産石炭の輸入を大幅に規制したことで、中国各地で電力不足による混乱が起き始めた。専門家は「もし豪州産鉄鉱石の輸入が止まれば、産業が受ける影響は計り知れない」と述べた。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。(写真はRFAのキャプチャー)

 中国による豪州産石炭の輸入規制は、オーストラリアの石炭産業だけでなく、中国の各業界にも打撃を与えている。浙江省義烏市の会社経営者は「義烏では送電制限や停電が起き始めた。小企業と小工場は全部、省送電を止めれた。省エネのためだろう」と話している。

 浙江省の貿易会社の経営者によると、浙江省では企業だけでなく市民の電力使用も制限され、3度以下にならないとエアコンの暖房が使えない。浙江省のほか湖南省の一部で、電力不足から信号機が止まっている。

 湖南省政府は、冬に入り電力需要が前年同期比14.1%も増加したとして、電力使用時間を昼と夜の一定時間に限定。景観用の照明を全部、街灯の半分を消した。

 企業関係者によると、湖南省の電力使用制限は、豪州産石炭の輸入規制のため。中国の発電は、豪州産とカナダ産石炭への依存が大きい。豪州産は1トン当たりの発電量が、中国産やインドネシア産をはるかに上回るという。

 鉄鉱石でも中国はオーストラリア依存が深刻。中国の専門家は「もしオーストラリアとブラジルが連携して、中国への鉄鉱石の供給を止めれば、鉄鋼会社は全部操業停止と成る。航空機や自動車、家電などの生産にも影響する」と話している。

★参考情報★
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