国際環境保護団体、グリーンピースは20日、2015年版の中国PM2.5(微小粒子状物質)濃度ランキングを発表した。濃度が最も高い上位10都市のうち6都市が、河北省と山東省だった。

それによると、中国当局が公開した366都市のPM2.5の観測データを分析したところ、全都市の年間平均濃度が50.2μg/m3(マイクログラム/立方メートル)を超過。うち293都市は、中国の「環境空気質基準」が定めた35μg/m3を上回った。全都市が世界保健機関(WHO)が定める上限値10μg/m3を超えていた。

PM2.5の年間平均濃度のワースト5は、省別では河南省、北京市、河北省、天津市、山東省。都市別では最高はカシュガル(新疆)、保定(河北)、徳州(山東)、ケイ台(ケイは刑のつくり、山東)、衡水(河北)だった。

中国当局の大気汚染対策は一定の成果を上げており、189都市でPM2.5の濃度が前年比10.3%低下した。ただ、15年冬の大気汚染はなお深刻で、北京では15年第4四半期の平均濃度は前年同期を上回った。

北京市は昨年冬、風速や湿度の関係でスモッグが発生しやすく、年末の激しい大気汚染を招いた。ただ、大気汚染の原因の1つは石炭で、北京、天津を除く華北地区では、燃料に占める石炭の割合が90%に近く、他地域をはるかに上回った。



(参考)http://www.greenpeace.org.cn/pm25-city-ranking-2015/