2020年1月31日人米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)中国疾病対策予防センターのグループが29日、国際医学誌の「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」で、肺炎の原因となる新型コロナウイルスのヒトとヒトの間での感染が、昨年12月中旬には既に起きていたとするリポートを発表した。中国当局は、ヒト間の感染が起きたことを1月20日になって発表している。(写真はRFAのキャプチャー)

 香港メディアの東網によると、グループは中国疾病対策予防センターの馮子健副主任ら専門家4人。感染者と、当初、患者が多発した湖北省武漢市の食品市場「華南海鮮市場」の関連を調べた。その結果、リポートは「2019年12月中旬、患者に緊密に接触したヒトの間で感染が起きていた」と結論づけた。

 RFAによると、浙江大の王立銘教授はミニブログで「リポートによれば、国の疾病対策センターは1月の初めには、ヒトの間で感染が起きた証拠をつかんでいた。なぜ20日まで発表しなかったのか。情報はどの段階で隠されたのか」と疑問を示した。王教授の書き込みは、既に消去されている。

 リポートによると、ウイルスの感染力を示す「基本再生産数」(R0、アール ノート)は2.2で、平均で1人の患者から2.2に感染することを示している。世界保健機関(WHO)の発表と同じで、重症急性呼吸器症候群(SARS)を下回る。

 コーネル大の分子生物学の専門家は「データが1月22日前のものであることは注意が必要で、リポートの最大の限界だ。過去1週間で、患者が大幅に増加している」と述べた。

 ニューヨークの別の専門家は「リポートのデータと分析モデルは信頼できる。しかし、中国の感染状況は不透明で、データはすべて当局の手中にある。海外の研究員は判断の根拠に乏しい」と述べ、R0が2.2との結果に対する評価を避けた。
 
★参考情報★
ーーーーーーーーーー