2020年1月13日台 米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、台湾で11日に投開票が行われた総統選挙で、現職の蔡英文総統が過去最高の817万票、得票率57.13%で第15代の総統に選出された。副総統には頼清徳・前行政院長が当選した。 対立候補の最大野党・国民党の韓国瑜・高雄市長は552万票、得票率38.61%で落選した。(写真はRFAのキャプチャー)

 同日行われた立法委員(国会議員)選挙では、与党民進党は小選挙区48議席、比例区13議席の計61議席を得て、過半数を維持した。国民党は小選挙区25議席、比例区13議席の計38議席。柯文哲台北市長が率いる台湾民衆党は比例区で5議席、時代力量も比例区で3議席を得た。

 米公共放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、台湾の選挙民の圧倒的多数が、中国の習近平国家主席が求める「一国二制度」による中台統一の受け入れを拒否したことになる。

 習主席は昨年1月2日の「台湾同胞に告げる書」40周年の演説で「台湾版一国二制度」の受け入れを求めたが、蔡英文総統が直ちに拒否。その6カ月後、香港で勃発した反政府デモは、中国が台湾の民主主義と自由に対する脅威であるとの蔡総統の主張に対する強い援軍となった。

 ただ、ロイター通信は、中国政府は台湾政策が失敗したと考えておらず、今後、一国二制度の受け入れをさらに強く求めるようになり、台湾政策も変わらないとの見方を伝えた。

 中国紙・環球時報は12日の社説で「蔡当局の新たな挑発に対し痛撃を与えるべきだ。軍事力による圧力も選択肢に入る」と主張した。中国本土の台湾問題の専門家、鄭振清・清華大副教授はロイター通信に「中国が台湾にさらに軍事的恫喝を与えることも、現実的にやれることの1つだ」と述べた。

★参考情報★
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