2019年10月7日豚 中国では国慶節(10月1日)の長期連休前、政府が輸入冷凍豚肉約2万トンを市場に投じたものの、各地で4日から豚肉価格の上昇が始まった。台湾紙・経済日報が伝えた。(写真は経済日報のキャプチャー)

 豚肉は、中国人にとり欠かせない食材。アフリカ豚コレラ(ASF)の感染拡大などで供給が減り、政府が輸入肉を投入したが、なお供給が不足している。4日、北京、雲南で小幅に値下がり、上海、湖南などで横ばいになったのを除き、多くの省・市で値上がりした。5日には値上した地域が拡大した。 

 中国政府は9月19日と26日、連休中の豚肉価格の安定を狙い、中央政府が備蓄する豚肉を各1万トン放出した。しかし、中国の18年の豚肉生産量は5400万トンで世界の半分以上を占めるため、生産回復以外に価格安定の方法はないとみられる。

 中国農業農村省によると、ASFの影響で生きた豚の飼育頭数が減少。8月は前年同月比38.7%減った。国務院(中央政府)は8月下旬から農家に養豚の拡大を促している。しかし、農家の多くはASFの感染への懸念と、来年以降も価格が維持できるか確信が持てず、飼育拡大に踏み切れていない。


★参考情報★
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