2019年8月13日武 容疑者の中国本土移送を可能にする「逃亡犯条例」の改正に反対するデモが香港で続く中、中国本土のネット上では、武装警察部隊の装甲車の車列が、広東省深セン市内を移動する画像が掲載され始めた。ネット上では、香港のデモに対するけん制との見方が出ている。一方、広東省警察の演習の画像で、過度な連想は禁物との指摘もある。香港紙・明報(電子版)が13日伝えた。(写真は東網のキャプチャー)

 武装警察部隊は実際に、深センに集結しているもよう。香港の住民の1人は「武装警察の放水車と装甲車は200台以上が深センにいる」とネット投稿し、大部分が香港に隣接する羅湖地区などに集中していると指摘した。別の住民は「深セン湾口岸(出入境検査場)近くの道路は、武装警察の車ばかりだ」と述べた。深セン湾口岸への武装警察車両の集結は、香港のデモ参加者をおびえさせる狙いがあるとの見方もある。

 中国の青少年組織「中国少年先鋒隊」全国工作委員会の公式ミニブログは10日、深セン市民の多くが武装警察の装甲車の写真を撮影しネットに投稿していると伝えた。中国共産主義青年団(共青団)もSNSの公式アカウントで「人民武装警察部隊は、暴動、騒乱、悪質な暴力事件その他の治安事件に対処する」との「武装警察法」の条文を改めて掲載した。香港のデモに対するけん制の意味があるとみられる。

 広東省公安庁(警察)は、建国70周年の治安確保のためとして、全省で夏の演習を始め、深センでも1万人を動員して特別演習を行った。機動隊の演習などが含まれ、装甲車やヘリコプターも参加した。

★参考情報★
ーーーーーーーーーーー
香港デモ鎮圧に武装警察投入か 米誌が可能性指摘
香港7カ所で抗議集会 警官隊と衝突、大量の催涙弾発射
香港「非協力運動」でMTR混乱 全域でストの呼び掛けも