2019年6月21日朝習近平・中国国家主席と彭麗媛夫人が20日、平壌に到着し、2日間の北朝鮮公式訪問を始めた。中国最高指導者の北朝鮮訪問は14年ぶり。北朝鮮側は、金正恩・朝鮮労働党委員長と夫人が空港に出迎えるなど、最高レベルの歓迎を行った。米公共放送ボイス・オブ・アメリカが同日伝えた。 (写真はVOAのキャプチャー)

 中国メディアは、習主席訪朝の模様を一斉に報道。中国中央テレビ局は、北朝鮮当局が動員した民衆が、空港や沿道で手にした造花を振りながら、歓迎の言葉を叫ぶ様子を放送した。同局によると、歓迎の民衆は数十万人に上った。先に金委員長が中国を訪れた際は、中朝両国とも報道を控え、詳細は訪問終了後に報じている。

 習主席は北朝鮮滞在中、金委員長と5回目の首脳会談を行う。金委員長は2018年3月から19年1月まで4回訪中し、両国関係は急速に改善した。この間、中国は米国との間で貿易紛争が激化した。

 習主席は18日、トランプ大統領と電話で話し、今月末に大阪で開かれる20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で会談することで一致した。米中首脳は、米中貿易紛争とともに、北朝鮮の核問題などで意見交換する見通しだ。

 金委員長は18年以降、習主席のほかトランプ大統領、プーチン・ロシア大統領、文在寅・韓国大統領と相次ぎ会談した。中国は、朝鮮半島の核問題で自国の役割が不可欠との認識で、相対的に地位が低下する可能性は懸念していない。今回の訪朝で中朝の同盟関係を実質的に強化し、対米交渉でのカードにできるかが注目されている。

 
★参考情報★
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