2019年5月21日稀 中国国営新華社通信は20日、習近平総書記(国家主席)が江西省のレアアースの採掘・加工会社を視察したと報じた。米中貿易交渉で中国側の首席代表を務める劉鶴副首相も同行しており、貿易摩擦が激化する中、米国をけん制する意図があるとみられる。米公共放送ボイス・オブ・アメリカ中国語版が伝えた。(写真はRFAのキャプチャー)

 習主席らの視察先は江西省カン(へんが章、つくりが夊の下に貢)州市の江西金力永磁科技有限公司。高性能のネオジム磁石合金の製造会社で、新エネルギー車(NEV)、インバータエアコンの製造などに使われる磁性材料の供給会社。ネオジム磁石は、パソコンのハードディスク、スマートフォン、電池などの電子製品の製造に使われる。

 米国は5月10日、2000億ドル分の中国商品に対する制裁関税率を10%から25%に引き上げた。しかし、対象の中国製品のリストからレアアースは除外されていた。

 米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、今回の習主席の視察は、制裁関税率の引き上げで米中貿易摩擦がレベルアップ後、初めて行われた。中国側が今後、米国に強硬な態度を取る可能性を予告するシグナルとの見方が出ている。

 ネット上では最近、中国人民大の金燦栄教授が書いた「中国が貿易戦争に勝つための3つの切り札」との記事が人気を呼び盛んにシェアされている。記事は、最大の切り札として、世界の生産量の90%を占める中国産レアアースを挙げている。中国が米国への輸出を禁じれば、米国のハイテク産業が深刻な打撃を受けるのは必至という。

 ただ、米国側はトランプ大統領の指示で自国内のレアアースの状況について全面調査を終えている。中国からの輸入が止まっても短期間での生産回復が可能という。



★参考情報★
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