米インド太平洋軍トップのフィリップ・デービッドソン司令官(海軍大将)は12日、上院軍事委員会の公聴会で、米国が直面する最大の戦略的脅威は中国であり、米中の競争は2つの異なる価値観の力比べへと激化していると述べた。米公共放送ボイス・オブ・アメリカ中国語版が13日伝えた。

 司令官は「守勢の大国である米国と、台頭する大国の中国との競争が激しさを増しているとみるだけでは、全体像が見えない。われわれが直面するのは価値観の根本的な違いであり、将来両国が折り合うことはないとの見通しにたどり着く」などと述べた。 司令官はさらに「70年にわたり安定と平和を維持してきたインド太平洋地区の代わりに、中国政府は中国が主導し、中国の特色ある新たな秩序を打ち立てようとしている」と述べた。

 米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、デービッドソン司令官は、中国が台湾問題の解決で武力の使用を否定しないと表明していることに対し、米国として深い関心を寄せていると発言。中国と台湾が、緊張緩和の措置を取るよう望むと語った。

★参考情報★
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