2019年1月26日加 カナダのトルドー首相は26日、同国で逮捕された華為技術(華為、ファーウェイ)の孟晩舟副会長の米国引き渡しに反対する発言をした中国駐在のマッカラン・カナダ大使を更迭したことを明らかにした。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が26日伝えた。(写真はVOAのキャプチャー)

 マッカラン大使は、カナダが米国の対イラン制裁に追随していないことを理由に、孟副会長は米国への身柄引き渡しを巡る裁判で勝利できると発言。いったん失言と認めたが、25日再び「米国が身柄引き渡しを放棄すれば、カナダにとって素晴らしい」などと述べたため、首相が更迭を決めた。

 大使の発言に対し、孟副会長の逮捕事件に介入しないとのカナダ政府の政策に違反し、司法への干渉だとしてカナダ国内で激しい批判が起きた。

 マッカラン大使は68歳。カナダの与党自由党のベテラン政治家で国防相、移民相などを歴任後、17年から現職。夫人と3人の娘婿は中国系で、カナダでも著名な親中派と見られている。

 米公共放送ボイス・オブ・アメリカ中国語版によると、大使の発言はカナダ政府の本音との見方もある。かつて中国駐在のカナダ大使を務めたサン・ジャック氏は「発言内容は真実だが、黙っているべきだった。米国が引き渡し要求を放棄すれば、われわれは大変嬉しい」と述べた。

 中国政府は、孟副会長の逮捕後、カナダ人の元外交官ら2人を拘束。違法薬物密輸で起訴されたカナダ人に対し、懲役15年の判決を改めて死刑判決を言い渡した。このためカナダと中国の外交関係はかつてない緊張状態にある。


★参考情報★
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米、孟副会長の引き渡し要請へ 中国は即時釈放と逮捕状撤回を要求
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