2018年9月21日軍退役軍人数百人が20日、北京市の「退役軍人事務部」前で処遇改善政策の実施を求めて陳情活動を行った。中国では北京など各地で、退役軍人による同様の活動が続いており、中央、地方の政府が取り締まりを強化している。米公共放送ボイス・オブ・アメリカ中国語版が21日伝えた。(写真は東網のキャプチャー)

 同部前に集まった退役軍人は、革命歌を歌いながら警備の警官隊とにらみ合いを続けた。退役軍人は自警団を組織し、自らの秩序を維持する一方、陳情阻止のため各地方政府から派遣された係官を追い払った。各地で頻発する退役軍人の陳情活動で、自主的な秩序維持の動きは初めて。組織的な行動ぶりが注目を集めた。 

 退役軍人によると、中央政府の指示にもかかわらず地方政府が実施を怠り、処遇改善が行われていない。退役軍人は本来、公共事業体などへの就職があっせんされるが、就職口が利権として使われ、無資格の一般人がポストに就いているという。

 中国では9月以降、四川、甘粛、雲南、広東などの各地の政府庁舎前で、退役軍人による陳情活動が続発。当局は、取り締まりを強化したり、鉄道の乗車券を売らないなどの方法で、活動阻止に躍起となっている。

 陳情活動を行う退役軍人は、朝鮮戦争、中越戦争などの戦争や、核実験に参加するなど様々な経歴を持つ。

 中国政府は今年3月、退役軍人事務部を設立した。同部前では連日、陳情者と陳情阻止の地方政府係官が集まっているのがみられる。

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